その言葉、本当に伝えたいことは何だったのかと考える夜に

2026年01月12日


言葉は、とても便利です。
思っていることを、相手に届けるための道具として、日々使っています。
ただ同時に、言葉ほど不確かなものもないと感じることがあります。

ある日のやり取りで、私は短い一文を送りました。
内容としては間違っていないはずで、事実も含まれている。
けれど、返ってきた反応を見て、「あ、伝わり方が違ったかもしれない」と感じました。
責めるつもりはなく、急かす意図もなかったのに、少し冷たく受け取られたような気がしたのです。


そのあと、送った言葉を何度も読み返しました。
表現としては丁寧だったと思います。
ただ、そこに自分の余裕のなさや焦りが、にじんでいたのかもしれません。
言葉そのものよりも、その背景にある空気のようなものが、相手に伝わってしまった。
そんな感覚が残りました。

私は、言葉選びが特別うまいタイプではありません。
むしろ、率直に言い過ぎてしまうことも多いと思っています。
「ちゃんと伝えたつもり」が、「ちゃんと届いている」とは限らない。
そのズレに、何度も悩んできました。


考えてみると、言葉は正しさよりも、受け取る側の状態に左右されるものなのかもしれません。
同じ一言でも、忙しいときと余裕のあるときでは、響き方が変わる。
相手の立場や、その日の気分によっても、意味合いは簡単に変わってしまいます。

だから最近は、言葉を発する前に、少し立ち止まるようにしています。
この言い方で、本当に伝えたいことは伝わるだろうか。
相手がこの言葉を受け取ったとき、どんな気持ちになるだろうか。
自分の中で問い直す時間を、ほんの数秒でも持つようにしています。

それでも、うまくいかないことはあります。
考え過ぎて言葉が出てこないこともありますし、結局伝えたあとに後悔することもあります。
完璧な言葉なんて、きっと存在しないのだと思います。


それでも、言葉を大切にしたいと思う理由があります。
仕事は、人と人の間で成り立っています。
特に現場では、言葉ひとつで空気が変わることがある。
安心したり、傷ついたり、前を向けたり。
その影響の大きさを、私は何度も見てきました。

強い言葉で動かすより、少し遠回りでも、誤解の少ない言葉を選びたい。
そう思うようになったのは、失敗を重ねてきたからかもしれません。
伝えたいのは指示や正論ではなく、考えや意図そのものなのだと、少しずつ分かってきました。

今も迷いながらです。
言葉を選び過ぎてしまう自分に、歯がゆさを感じることもあります。
それでも、相手との関係が続いていくことを考えると、急がない選択も悪くない気がしています。

言葉は、人を動かす道具である前に、関係をつくるもの。
最近は、そんなふうに捉えるようになりました。
今日使った言葉が、明日につながっていく。
そのことを意識しながら、これからも試行錯誤を続けていきたいと思っています。


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