情報が増えるほど、決断が鈍る現場で考えていること

2026年01月06日


現場で何か問題が起きたとき、私はまず一歩引くようにしています。
すぐに答えを出さなくてもいい、と自分に言い聞かせるような感覚です。

たとえば、ある日の打ち合わせ。
それぞれが状況を説明してくれるのですが、話を聞けば聞くほど情報が増えていく。
数字、時間、人の感情、過去の経緯。
決して間違った話ではないのに、全体像が少しずつ見えにくくなっていく感じがありました。

その場では「もう少し整理してから考えたい」とだけ伝えて、結論は持ち帰りました。
正直、すぐに判断できなかった自分に、少しもどかしさもありました。


家に帰ってから、そのやりとりを思い返していました。
私は情報を集めること自体は嫌いではありません。
むしろ、足りないより多い方が安心するタイプです。

ただ、情報が多くなるほど、「何が本当の問題なのか」がぼやけていく感覚も、最近よく覚えるようになりました。
全部を平等に扱おうとすると、かえって何も掴めなくなる。
そんなことが、現場では案外よく起きている気がしています。

「この話は、今の判断に本当に必要なのか」
「それは事実なのか、解釈なのか」
自分の中で、何度も問い直していました。


私が大事にしたいのは、正解を出すことよりも、立ち止まって考える余白です。
特に人が関わる仕事では、数字や状況だけでは説明できない部分が必ずあります。

だからこそ、情報を集めながらも、どこかで「これ以上増やさなくていい」と線を引く勇気が必要なのかもしれません。
それは効率の話というより、誠実さの話に近い気がしています。

早く決めることが評価されやすい場面もあります。
でも、急いで決めた答えが、あとから誰かを苦しめることもある。
そのことを、私は何度か経験してきました。


経営をしていると、「判断しない」という選択肢はないように見えます。
けれど実際には、「今は決めない」「もう一度考える」という判断も、確かに存在しています。

情報をどう扱うかは、その人の価値観がにじみ出る部分なのだと思います。
たくさん集めて安心する人もいれば、最小限に絞って動く人もいる。
私は今、その間を行ったり来たりしている途中です。

まだ、自分なりの正解が見つかったわけではありません。
ただ、情報に振り回されず、情報を道具として使えているかどうか。
そこだけは、これからも問い続けていきたいと思っています。


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