在宅療養でよく起きるトラブルと予防策|転倒・誤嚥・誤薬など5つのリスクをケアマネ向けに解説

2026年04月14日


📋 この記事は「在宅連携の教科書」シリーズの一部です。
ケアマネジャー・退院支援看護師・医療職の皆さまへ、訪問看護との連携に役立つ情報をお届けします。


はじめに

在宅療養は、利用者にとって安心できる環境である一方、医療機関と異なり予期せぬトラブルが起きやすい場でもあります。

ただし、在宅療養のトラブルには「事前の対策で防げるもの」と「加齢や病状の進行に伴い完全には防げないもの」の2種類があります。過度な行動制限はご本人らしい生活を妨げます。どのようなリスクが潜んでいるかを正しくアセスメントし、防げる事故を防ぐことが重要です。


よくある5つのトラブルと原因

1. 転倒・転落

在宅療養で最も多い事故のひとつです。身体機能の低下だけでなく、ベッド周囲の環境・排泄状況・睡眠の乱れなど原因は多岐にわたります。薬の変更による起立性低血圧やせん妄がきっかけになるケースも少なくありません。

2. 誤嚥・窒息

加齢により嚥下機能が低下すると、誤嚥リスクが高まります。食事形態がご本人の機能に合っていない場合(刻み食が口の中でばらけて気管に入るなど)や、前かがみの不適切な姿勢での食事が原因になることがあります。

3. 誤薬・与薬漏れ

食事の準備などと並行する慌ただしい状況でのヒューマンエラーや、薬の管理方法が統一されていない場合に発生しやすいトラブルです。

4. 医療用チューブの自己抜去

経鼻経管栄養のチューブや膀胱留置カテーテルを、ご本人が無意識に抜いてしまうケースです。認知症の影響だけでなく、「チューブが当たってかゆい」「視界に入って気になる」といった不快感が原因になることもあります。

5. サービス範囲に関する認識のズレ

「家族分の家事やペットの世話も手伝ってほしい」という期待があるケースです。訪問看護は制度上、利用者本人の療養に必要なケアを提供するものです。このギャップが「融通が利かない」という不満につながることがあります。契約時の丁寧な説明が予防になります。


訪問看護師によるトラブル予防のサポート

① 専門的なアセスメントと環境調整

ご本人の心身状態・行動パターンに加え、ベッドの位置や家具の配置など生活環境全体をアセスメントします。転倒予防の環境調整や、リハビリ職・歯科医療機関と連携した嚥下機能評価など、個々のリスクに応じた対策を講じます。

② ご家族への技術指導と情報共有

点滴の抜針や生食ロックなど、訪問時間内に終わらない処置をご家族に担っていただく場合は、医師の指示のもと適切に指導・確認を行います。起こりうる症状変化やトラブルを事前に共有しておくことで、緊急時でもご家族が落ち着いて対応できるようサポートします。

③ 多職種連携による予防

  • 調剤薬局と連携して薬の一包化を提案し、誤薬・飲み忘れを防ぐ
  • ケアマネジャーと連携し、適切な福祉用具の導入を提案する
  • 契約時に「対応できること・できないこと」を明確に説明し、認識のズレを防ぐ

まとめ

在宅療養のトラブルは、ご本人・ご家族だけで抱え込まず、リスクを事前に把握して適切な対策を講じることが重要です。「何か気になることがある」という段階で早めにご相談ください。


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