2026年03月31日
📋 この記事は「在宅連携の教科書」シリーズの一部です。
ケアマネジャー・退院支援看護師・医療職の皆さまへ、訪問看護との連携に役立つ情報をお届けします。
はじめに
退院前カンファレンスは、病院から在宅への移行を安全に進めるための重要な場です。ここで何を確認し、何を共有するかが、退院後の療養生活の安定を大きく左右します。
この記事では、退院前カンファで押さえておきたい確認ポイントと、訪問看護師がどう関わるかをお伝えします。
退院前カンファで確認すべき5つのポイント
1. これまでの経過と今後の治療方針
疾患の経過・治療内容・大まかな予後・疾病管理の注意点を病棟の主治医・看護師から共有してもらいます。在宅スタッフ全員が治療方針を把握することで、一貫したケアが可能になります。
2. ADLの状況と在宅での介助方法
移動・移乗・食事・排泄・入浴など、どの程度の介助が必要かを具体的に確認します。特に食事については以下を細かく押さえておきましょう。
- 嚥下障害の程度
- むせ込みが起きにくい姿勢・ベッドの高さ
- 安全に食べられる食事形態(刻み食・とろみ食など)
睡眠・口腔ケア・認知機能・精神面の状況も、在宅ケアに欠かせない情報です。
3. 医療処置の内容と家族への指導
在宅で継続が必要な処置(定時薬・頓用薬の管理含む)、ご家族が習得すべきケアの手技、必要な消耗品・医療材料を確認します。退院後に慌てないよう、具体的な手順や入手方法まで確認しておくと安心です。
4. ご本人・ご家族の希望と不安
「どんな生活を送りたいか」というご本人の希望が、ケアの方向性の出発点です。退院後の生活への不安も含めて関係者間で共有し、全員が同じゴールを向けるようにします。
5. 役割分担と緊急時の連絡体制
役割が曖昧なままだと、いざというとき「どこに連絡すればいいの?」とご家族が迷います。以下を必ず確認・明文化しておきましょう。
- 退院日時・退院後の受診予定
- 体調変化時の緊急連絡先(訪問看護・主治医・救急)
- 入院中にケアで苦労した点
ケアマネの「アウェー感」は当然です
退院前カンファレンスで「居心地が悪い」「専門用語についていけない」と感じるケアマネジャーは少なくありません。見知らぬ医療スタッフに囲まれ、聞き慣れない病名が飛び交う状況は、まるで言葉の通じない外国のような感覚です。
でも、医療職と福祉職は専門性が異なるのは当然のこと。すべてを理解しているふりをする必要はありません。
「もう少しわかりやすく説明していただけますか?」と率直に伝えることが、より良いケアにつながります。カンファレンスでは「総合的な目標の共有」と「重要課題の確認」を優先することが大切で、一度の会議ですべての問題を解決しようとしなくてOKです。
退院前カンファにおける訪問看護の役割
医療的アセスメントの視点を提供
退院後に医療的管理が必要な患者さんは多く、ケアマネジャーだけでは医療ニーズの把握が難しいケースもあります。訪問看護師が専門的な視点でアドバイスし、チーム全体のケアの質を高めます。
調査では、退院前訪問や合同カンファレンスを実施したケースでは「連携がうまくいった」と評価される傾向が高く、ADLが低い方や入院期間が長い方ほど効果が大きいことがわかっています。
退院時共同指導加算について
訪問看護師(准看護師を除く)が退院前に病院スタッフと連携し、ご本人・ご家族に療養上の指導を行った場合、医療保険・介護保険の「退院時共同指導加算」の対象となる場合があります。対面のほか、ビデオ通話や文書での対応も認められています。
桃李札幌東では退院前カンファへの同席を随時受け付けています。入院中からご連絡ください。
まとめ
退院前カンファレンスで事前に共有しておくべき情報は、大きく「医療的な状態」「ADLと介助方法」「役割分担と緊急時対応」の3つです。
ご不明な点はカンファレンスの場で遠慮なく質問してください。訪問看護師も一緒に確認します。
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