2026年05月19日
認知症のご家族を自宅で介護していると、「どこまで続けられるだろう」と感じる瞬間が必ずあります。同じ質問を何度も繰り返される、夜中に起き出す、薬を飲んだかどうかわからなくなる——こうした日々の積み重ねは、介護するご家族を少しずつ追い詰めます。訪問看護師は、認知症のご本人とご家族の両方を支える存在として関わることができます。
「おかしい」と感じたときの、早めの相談が大切
認知症は、早い段階で適切な支援につながることで、進行を緩やかにしたり、生活の安定を保ちやすくなることがあります。「最近、同じことを何度も言うようになった」「薬の飲み忘れが増えた」「夜中に騒ぐことがある」——こうした変化に気づいたとき、「年のせいかな」と様子を見るのではなく、まず専門職に相談することをお勧めします。
訪問看護師は、定期的な訪問の中で認知機能の変化を継続的に観察します。「先月と比べてどうか」という視点で見続けることで、家族だけでは気づきにくい小さな変化を早期に捉え、主治医への報告につなげることができます。日々の観察の積み重ねが、適切なタイミングでの対応を可能にします。
服薬・生活リズム・安全——日常の三つの柱を整える
認知症の方の在宅生活を安定させるうえで、特に重要なのが服薬管理、生活リズムの維持、そして安全な環境づくりです。薬を飲んだかどうか自分で管理するのが難しくなってきた場合、看護師が訪問のたびに確認したり、飲み忘れを防ぐ工夫を一緒に考えたりします。
生活リズムについては、昼夜逆転や食事・水分摂取の乱れが認知機能の悪化につながることがあります。訪問の中で睡眠や食事の状況を確認しながら、規則正しい生活を無理なく続けられるよう、ご本人のペースに合わせて関わります。また、転倒リスクの高い場所や薬の誤飲リスクなど、住環境の安全面についても気づいたことはお伝えします。
介護するご家族が「限界」になる前に
認知症介護で最も心配なのは、介護するご家族が精神的・体力的に限界を迎えてしまうことです。「施設に入れることを考えるのは、見捨てることになるのか」「もっとうまくやれるはずなのに」——こうした罪悪感を一人で抱えているご家族に、何度もお会いしてきました。
訪問看護師は、ご家族の話を聞く時間を大切にしています。「最近、どうですか」というひと言から始まる会話の中に、支援のヒントが隠れていることがよくあります。一人で抱え込まず、「しんどい」と感じたときこそ、早めに声をかけてください。今の状況を整理するだけでも、次の一手が見えてくることがあります。
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