介護疲れを一人で抱えないで|札幌・東区の訪問看護師が伝える、家族で支えるということ

2026年08月11日


こんにちは。札幌市東区で訪問看護・訪問介護・サービス付き高齢者向け住宅を運営している、合同会社TOURI代表の森です。もうすぐお盆で、ふるさとに帰り、久しぶりにご家族と顔を合わせる方も多い時期です。今日は、私たちが訪問の現場でいつも気にかけている介護疲れと、その負担をどう分け合うかについて、率直にお話しします。

ご病気や介護が必要なご本人の話は、よく耳にされると思います。でも今日お伝えしたいのは、その方をそばで支えているご家族――主に介護をしている方の話です。離れて暮らすご家族にこそ、知っておいてほしいことなのです。

介護疲れは、静かに忍び寄る

厚生労働省の令和4年の国民生活基礎調査では、在宅で介護している世帯のうち、介護する人・される人がともに65歳以上という「老老介護」の割合が63.5%と、初めて6割を超えました。高齢のご夫婦や、年老いたきょうだいどうしで支え合っている家庭が、いまや当たり前になっています。

さらに、同居して主に介護している方の多くが、悩みやストレスを抱えていることも、同じ調査で示されています。とくに女性で、その割合は高くなっています。介護を担う方自身が、決して元気いっぱいというわけではない。まず、ここを知っていただきたいのです。

私たちがよく出会う場面

ここで一つ、現場でよく見る場面をご紹介します。特定のどなたかの話ではなく、私たちが繰り返し出会う、よくある光景としてお読みください。

お宅にうかがうと、介護を受けているご本人は、わりに穏やかな表情で迎えてくださいます。ところが、そのそばで世話をしているご家族のほうが、めっきりやつれている。ご自身の食事は後回し、夜中に何度も起こされて眠れていない、薬の管理も食事の支度も見守りも、気づけば一人で背負っている。「私が見なきゃ、この人は暮らせないから」と、当たり前のようにおっしゃる。

そして、遠くで暮らすお子さんが電話で「元気?」と聞くと、決まって「大丈夫、なんとかやってるよ」と返ってくる。だから、離れているご家族はなかなか気づけません。でも、お盆に久しぶりに帰省して顔を合わせたとき、「あれ、お母さんのほうが痩せたな」「ずいぶん疲れた顔をしているな」と、はっと気づかれる。これが、毎年とてもよくあるパターンです。

「大丈夫」の裏にあるもの

介護している方が「大丈夫」と言うのには、理由があります。心配をかけたくない。弱音を吐いてはいけないと思っている。助けてと言うのが、家族への裏切りのように感じてしまう。まじめで責任感の強い方ほど、一人で抱え込みがちです。

でも、介護は短距離走ではなく、先の見えない長い道のりです。介護する方が倒れてしまえば、支えられていたご本人の暮らしも、一緒に揺らいでしまいます。介護する人を支えることは、介護される人を守ることでもある――私たちは、いつもそう感じています。

「レスパイト」という考え方

介護の世界には、「レスパイトケア」という言葉があります。レスパイトとは「ひと休み」という意味で、介護している方が少しでも休息をとれるように、一時的にケアを代わってもらう仕組みのことです。

たとえば、日中を施設で過ごすデイサービス、数日から泊まりで預かってもらうショートステイ(短期入所)などがあります。要介護の認定を受けていれば、介護保険を使って利用できる場合があります。「他人に預けるなんて」とためらう方もいますが、これは決して手抜きでも、見捨てることでもありません。介護を長く続けるための、大切な工夫です。

こうしたサービスをどう組み合わせられるかは、担当のケアマネジャーに相談するのが近道です。まだ介護保険の認定を受けていない、ケアマネジャーが決まっていないという場合は、お住まいの地域の地域包括支援センターが、最初の相談窓口になります。札幌市東区にも、地域ごとに窓口があります。

家族みんなで、少しずつ分け合う

遠くに暮らしていても、できることはあります。帰省したときに数日だけ介護を代わる、電話で「体は大丈夫?」と介護している側を気づかう、金銭的な部分を引き受ける、必要な手続きや情報集めを担う。直接手を動かせなくても、「あなた一人じゃないよ」と伝わること自体が、大きな支えになります。

こうしたときに役立つのが、介護している人の話を、まず否定せずに聞くことです。「もっとこうすれば」と正論を言う前に、「大変だったね」と受けとめる。それだけで、張りつめていた気持ちがふっとゆるむことがあります。

離れて暮らすご家族へ ― お盆に確認したいこと

今年のお盆、帰省したときに、介護を受けているご本人だけでなく、介護している側のご家族の様子も、さりげなく見てあげてください。印刷して持っておくと役立ちます。

  • 介護しているご家族が、以前より痩せた・疲れた顔をしていないか
  • 夜、眠れているか(何度も起こされていないか)
  • 自分の受診や趣味、外出をあきらめていないか
  • 大丈夫」「私がやらなきゃ」が口ぐせになっていないか
  • 相談できる相手がおらず、一人で抱え込んでいないか
  • デイサービスやショートステイなど、使える支援の話を聞いたことがあるか

一つでも気になることがあれば、それは声をかける合図です。「無理してない?」の一言から、始めてみてください。

最後に

介護は、家族の誰か一人ががんばればいい、というものではありません。ご本人を真ん中に、ご家族と、私たちのような在宅の専門職とで、少しずつ分け合っていくものだと思っています。

札幌市東区とその近郊で、ご家族の介護や、介護している方の疲れについて気がかりがあれば、どうぞ気軽に声をかけてください。いまの状況(介護している方の様子、困っていること、使っているサービス)を、そのままケアマネジャーや当ステーションに教えていただければ、一緒に考えます。相談は無料で、契約や訪問を前提としたものではありません。

▶ ご相談・お問い合わせはこちら: https://touricare.net/contact/

ご本人もご家族も、無理なく、この夏を越えられますように。

訪問看護ステーション桃李札幌東(札幌市東区)/ 電話 011-733-5555 / touricare.net


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